コニカプレスⅠ（コニオメガ）

　見た目どおり重量感があります。左の持ち手の部分はマイナス大ねじを緩めることで角度を３段階調整可能です。持ち手の部分にストラップの様な紐が付いていますが、細いため手に食い込むため予め何らかのクッション材を充てておかないと地味に痛いです。
　この個体のファインダーには一部劣化があったため、整備時に部品を流用して修復した結果青味がかったフレームに変わっています。結果コントラストが上昇して見やすくなっています。枠は９０ｍｍと１８０ｍｍの枠しかないため、６０ｍｍの枠が必要であれば別途外付けファインダーが必要です。
　使用されていた当時は、３５ｍｍカメラを予備に、このカメラをメインとするような使い方をしていたようです。レンズの使用頻度は広角や標準域が多く、スポーツファインダーのような外付けファインダーで撮影範囲の確認して、ピントは被写界深度の範囲に任せての目測撮影が多かったようです。広角の６０ｍｍレンズについては、後ろ玉がとび出ているため持ち運びにはキャップが、必須なのですがキャップの素材自体が脆かったのか壊れやすかったようで、代わりに賞状筒を切って代用したいたようです。購入品にもキャップがなかったので真似をしました。
　報道などのプロ向けの機材であったため一般販売はしていなかったようです。高価格帯だったようで、個人で購入する例は殆どなかったようです。業務用に備品として購入された多くは酷使されて最終的には破棄されたり、保管されたまま忘れ去れたりしているようで、現存する個体は少ないようです。入手した個体も多少劣化している状態でした。美品の入手を狙うのであれば、予備機やセミプロが個人で購入していたような個体を探すしかなさそうです。積極的に輸出されていたようなので、アメリカの方を探した方が見つかるかもしれません。　
　使用した感じでは、重量バランスが良いためか、重量の割には安定して構えることが出来ます。下に下げていると重いですが、撮影ポジションで持つと不思議とそれほど重くは感じません。手前に押し込むタイプのシャッターは本体のミラーショックが無いのと相まって低速でのシャッターが切り易いです。フイルムを送る際にマガジンを横にスライドさせる方式は使い易いと感じました。
　このプレスカメラは、１～３型まであったようで、２型は撮影途中でもフィルムバックを交換できるように改良されたようです。ただ、作りが複雑になったためかフィルム機構に問題が出ることも多かったようなので、２型を購入する際は問題なく作動・使用できるか気を付けた方がよさそうです。３型はレンズ固定式ポラロイドカメラになったようですが、ポラロイドフィルムの供給がなくなった現状では使用ができないと思われます。