マーシャルプレス

マーシャルプレス(マミヤ)
Marshal Press_NikkorQ105mmF3.5
形式 中判カメラ
シャッター速度       機械式レンズシャッター
B~1/500秒
ファインダーレンジファインダー
撮影フォーマット6×9(120:8枚)
実は6×8に近い
レンズNikkorQ105mmF3.5
特記事項
  • 測定機材や専門知識のある専門店にて整備、調整済のカメラを使用しています。
  • 掲載の操作方法はあくまで参考です。詳しい操作方法や注意点ついては、必ず購入した店に確認して下さい。
目次

フイルムの装填(セミオートマット)

マーシャルプレス裏蓋
マーシャルプレスにフィルム装填

 プレートと巻き上げノブを交換することで色々なフォーマットに対応予定だったようですが発売されることはありませんでした(有志が製作したものはあったらしいですが、今では見つからないかと思います)。
 本体下にあるピンがスプールのロックになっているので引くとスプールが外れます。スタートマーク式なのでスタートを矢印に合わせたあと蓋を閉じて「1」まで巻き上げます。撮影したら巻き上げノブの下にあるレバーを左に入れてロックを解除して「2」に送ります。これを繰り返します。巻き上げノブは18まであるので、120フィルムの場合は自分で撮影を「8」で辞める必要があります。

巻き上げとシャッター

マーシャルプレス(巻き上げ)
マーシャルプレス(シャッター)

 右側のダイヤルでピントを合わせます。シャッターのところにあるON、OFFを切り替えると付いている105mmのレンズ以上にボードを繰出せますが、別にあるアタッチメントを使用しない限り使用することはないので、通常はOFFのままでいいかと思います。
 シャッターはチャージレバーを引いてチャージします(セルフコッキングではありません)。

雑記

レンズに関して

 レンズは3群4枚のテッサー型が採用されています。
 本来不要であるシャッターの開放機構など大判レンズの機構が採用されています。フィルムマスクを変更することで複数のフォーマットに対応する予定だったらしいので、何らかの布石だったのかもしれませんが販売される前に会社が無くなってしまったので、今では何で高価な機構を採用したのか理由は不明です。
 付いているレンズに関してですが、当時ニコンは幾つかのメーカーに中判用のレンズを供給していましたが、このレンズが最も相手の要求が厳しく、設計や調整が大変だったと当時のニコンの技術者が言っていたようです。間宮側の性能要求も厳しかったようですが、ニコン側も間宮側に対して色々要求していたようで、両者が妥協することなく設計・調整した結果がこのカメラの形になっているようです。
 スペック競争で目立ちたいのならば、明るいレンズを採用した方がよかったのでしょうが、関係ないとばかりにテッサー型を採用し、ニコンが要求するフランジバック等を満たした実を取る設計になっているのは流石だと思います。
 本来は交換レンズが出る予定もあったようですが、会社に出す余力がなかったようで、焦点距離を変化させるコンバージョンレンズで取り敢えず対応したようです。性能的にはあまり使用しない方がいいようです。

ボディに関して

 発売時の広報で、何でこんな形にしたのか聞かれたのに対して間宮側が、「この形状が必要だと分からない人には使って欲しくない」という旨のコメントを返していたようなので、必要なのでこの形とサイズになったようです。
 実際に使ってみれば分かるのですが、重心配置が良いため見た目ほど重く感じないですし、安定させやすいので低速シャッターも切り易いです。
 正面のガードも何で付いているのか良く分からなかったのですが、これがあるおかげでレンズが直接当たるような事故を防げますし、ブローニーフィルムは後ろから装填するので、これがある方が装填し易いです。
 接眼レンズやマグニファイヤーなどもニコン製のようで、細かいところも妥協が見られません。
 マミヤ6と同様に右側のリングを親指で動かしてピントを合わせる方式は、手の移動が余りなくシャッターを切ることが出来るので思いのほかテンポよく撮影ができます。
 底面が外れて何かが取り付けられそうな構造になっていたり、レンズボードと巻き上げノブを一緒に交換することでフォーマットを変更できるようになっていたり、レンズボードの微調整がスピンドル式になっていて細かい調整が出来るようになっていたりなど色々なアイデアや工夫、拡張機能があったようですが、会社が倒産してしまったためそれらが実現することはありませんでした。とても残念です。

マーシャルプレスに関して

 ヨーロッパでは、ホンダのS600とこのマーシャルプレスは技術者の夢を形にしたものと言われていたようです。
 間宮氏は、アマチュア写真家でしたが、数々のコンテストで入選するなどプロと遜色ない腕前だったようです。
 カメラ会社を設立する際は、あの間宮氏が理想のカメラ開発するために会社を設立すると写真関係者の間では話題になったようで、コンテストなどを通して当時のライカの代理店とも関係があったようで、ライカの会報誌にもあの間宮氏が会社を設立と掲載されたらしいです。
 そんな間宮氏が、マミヤ光機とは別にわざわざマーシャル光学を設立して開発・販売しています。マミヤ光機時には採算性などから実現出来なくなっていたことを形にしようとしたように感じます。
 レンズは自社のセコールではなくニッコールを採用しています。誇張したスペックとかはなく、普通のカメラマンが買うとは思えない形状になっていますが、実際に使用すると良く考えられて作られているのが分かります。潔いくらい消費者受けを狙っておらず、分かる人が買えばいいくらい感じで、殆ど開発者自身向けのカメラだったのではないかと思うくらい思いが詰まったカメラではないかと思います。

描写に関して

 昔のニコン自体がフランジバックが長いことで古いニッコールは、今の写真のように画面全体へパンフォーカスに近い解像する描写ではなく、ピントがあったところはしっかり解像するけど、それ以外のところは緩やかになるので奥行きがある描写をするレンズが多かったですが、マーシャルプレスもその傾向があります。
 元々線が太いニコンなので、中判にしても解像感が甘くなることはなく、フォーマットが大きいため描写に奥行き感はがあるように思います。近年の画面全体が解像しているような描写が好きな人には合わないかもしれませんが、奥行き感や立体感を求めてフォーマットを中判、大判に拡張していくような人にとっては好ましい描写すると思います。

作例

一覧

参考

参考価格

アクセサリー・消耗品等

フィルター

フィルム

モノクロ

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リバーサル

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その他

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