ズミクロン35mmF2(8枚玉、眼鏡付き)

ズミクロン35mm(8枚玉、眼鏡付き)
summicon 35mm 1st 8elements
レンズ構成 6群8枚
絞り f2~16
フィルター径 39mm(E39)
フード IROOA ←
マウント Mマウント
写真のレンズの情報
  • 専門店にて整備、調整済のレンズを使用しています。
  • 掲載の操作方法はあくまで参考です。詳しい操作方法や注意点ついては、必ず購入した店に確認して下さい。
目次

雑記

レンズ構成

 6群8枚のダブルガウス型です。ライカのレンズでのなかでも特に有名で人気のあるレンズです。ただ、最近では値段の割に写りはそこまでよくはないと言われていることがあるようです。

眼鏡付き、無し、製造国に関して

 眼鏡付きがM3用(ファインダーに35mm枠なし)で、無しがM2、M4用 (ファインダーに35mm枠あり) です。眼鏡付きは、当時のライカのフラグシップであるM3用のレンズであるため、M2用より若干性能がいいことが多いようです(最短距離も短いです)。
 また、カナダ製とドイツ製がありますが、カナダが設計元であるため性能が良いことが多いようです。
 ただ、眼鏡の有無にしろ、製造国にしろそこまでの差はないようなので、好みで選んだ方が満足できるかと思います。一応人気なのは眼鏡なしのドイツ製のようです。
 注意が必要なのが、眼鏡付きには眼鏡が付いてないと距離計が連動しないものがあります。
 私の所有しているような初期の方のレンズは眼鏡が付いていないと距離計が正しく連動しないようです。後のモデルだと眼鏡を外しても正しく連動するようなので購入する際には確認した方がいいと思います。眼鏡なしの方が人気があるため、眼鏡付きの眼鏡を外して販売していることがあるらしく、付いていないと連動しない初期のモデルは使用に支障がでるので購入の際には気を付けた方がいいかと思います。(眼鏡付きとなしの価格差は大体10万円前後のようです。)
 私はM2で使用することが多いので本来は眼鏡なしを購入した方がよかったのかもしれませんが、M2でも眼鏡がファインダーを拡大してくれるので眼鏡付きの方で良かったと思っています。

描写に関して

 ズミクロンらしい解像度と諧調のバランスの良い描写をします。上手くいけば大判で撮影したかのようななだらかボケと諧調の良さを発揮しますが、失敗すると割と簡単に描写が破綻します。普通に撮ってもいい写りをしますが、他のレンズでも構わないかなくらいの描写になります。色々挑戦しだすと独特の描写と破綻のバランスと取るのがとても難しくなりますが、上手くいけば他のレンズでは撮れない写真が撮れるかと思います。

扱いに関して

 買って使用してみて、値段に見合うレンズだと個人的には思っていますが、扱い難レンズだとは思っています。
 正直普通に撮る分にはそうでもないのですが、多少挑戦してみると失敗する確率が格段に上がります。
 知り合いのなかにも、「最初購入して使用した時は大したことないと思って売ったけど、後年上達して再度購入して色々試してみたら凄いレンズだと分かった」と言っていた人がいたので、ある程度技術が必要なレンズなのだと思います。
 どうも色々な調整はプロなら自前でなんとかするだろうと考えて作られているような気がします。ツァイスのように富裕層が多く購入するのであれば、ある程度の使い易さは考慮して設計する必要があったのでしょうが、このレンズを出したくらいのライカは、幾つかのレンズはそこら辺をあまり考慮しないで特定の性能に全振りしたような設計で出している気がします。レンズ側で調整して欲しい人には向かないレンズだと思います。

撮影に関して

 以前いいなと思った作品を撮影した人に、どうしたらこういう写真が撮れるのか聞いところ、絞りf5.6~f11辺りのある程度絞り込んだ状態のいずれかのf値で固定して、フィルムで50本くらいf値変えずにその他の条件を色々変えて撮ってみたら1枚くらいはいいと思うのが撮れるかもと言われたので、そういう条件で挑戦してみると参考になるかもしれません。
 色々条件を検討するのが面倒だと感じる人や、手間がかからないのが高級レンズの価値の一つと考える人は手を出さない方がいいかもしれません。ツァイスのビオゴンの方がはるかに楽に撮影ができるのでそちらの方をおすすめします。
 このレンズもスーパーアンギュロン21mmと同様にプロが使用して酷使していることが多く、光学系統の計測・調整がされていないと性能が発揮されないようなので、購入の際は確認した方がよさそうです。個体差があると言われますが、多くは個体差ではなく調整の差によることが多いようです。
 以前から定評のある老舗(OSカメラサービス銀座カツミ堂写真機店など)で購入することをお勧めします。

作例

参考

  • 『世界のライカレンズ ライカと世界のライカレンズ描写を徹底追及』,株式会社写真工業出版社,2000年11月,56~57ページ
  • 『ライカレンズ完全ブック』株式会社グリーンアロー出版社.p27

参考価格

以前は10万円前後の価格差でしたが3倍程度の差がついています。相対的に眼鏡付きがお買い得に見えてしまいます。

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アクセサリー・消耗品等

フィルター

ねじ込み式のフィルターは純正のフードを取り付けようとすると干渉する場合があります。ユーエヌのフィルターは大丈夫でした。ただし、ねじ切りがないため今度はゴム製フードが使用できなくなるので注意が必要です。

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キャップ

その他

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中国の愛好家による復刻レンズ

本当にオリジナルに匹敵しているのならば驚異的な価格だと思います。

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