レンズ構成 | 3群7枚 |
絞り | f1.4~16 |
フィルター径 | 43mm |
フード | 不明 |
マウント | Sマウント |
- 専門店にて整備、調整済のレンズを使用しています。
- 掲載の操作方法はあくまで参考です。詳しい操作方法や注意点ついては、必ず購入した店に確認して下さい。
雑記
レンズ構成
3群7枚のゾナー型です。
当時は明るいレンズではダブルガウス型よりもゾナー型の方が優れていると言われていました。ニコンがゾナー型を多く採用したのも頷けます。
ややこしいのが、レンズの名称は一緒なのですが、1964年のオリンピックモデルになると、先に1962年にFマウントでガウスタイプのNikkor-S Auto 50mm F1.4が先に発売されており、それと同様のダブルガウス型のレンズ構成に変更になっています。以前使用していたガラスが使用できなくなったり、コーティング技術が進歩したので張り合わせの手間がかかるゾナー型から変更になったようです。
上記のように殆ど同じ時期に出ているため、ダブルガウス型のオリンピックモデルとFマウントの同名のレンズは写りにあまり差がないと聞くので、手に入り易いFマウントモデルを試したて見るといいかもしれません。
2000年のミレニアムモデルになるとさらにレンズの材質を最近のものに変更し、マルチコート化したようなので1976年に光学系が変更される直前のNIKKOR-S C Auto 50mm F1.4に近い描写になっているかと思います。
古いニコンの写りが目的ならば、素直にゾナー型を購入した方がよさそうです。
描写
抜けが良く、線が太い描写をします。ツァイスやライカのレンズは汚いものもある程度美しく撮れてしまうことが多いですが、ニッコールは汚いものはきちんと汚く描写してくれるので、その点でも報道やドキュメンタリーのような撮影に向いていたのだと思います。
抜けが良くて、線が太く、重い感じの描写がニコンらしい描写だとすると、レンジファインダーのSマウントからだいたいオートニッコールくらいまでを試したがよさそうです。レンズにもよりますが、Aiニッコールくらいになるとキャノン寄りの描写になると言われています。昔のニコンの描写を楽しみたい人はSマウントやLマウントのニッコールから試してみるといいかもしれません。同じ焦点距離で明るいレンズと暗いレンズがある場合は、暗いレンズの方ががそれらしい描写をすることが多いようです。
その他
高感度フィルムがISO50とかの時代に中判や大判フィルムで撮影することなく、135サイズの小さなフィルムに撮影した状態でも大伸ばしにした時に描写が破綻せず、また印刷物にした時に見やすい描写をするのはニッコールが抜きん出ていたように思います。描写も報道やドキュメンタリー向けだったことも広く使用された理由の一つだったかと思います。最近日本では人気がないらしいので狙い目かもしれません。
作例
参考
- 『クラシックカメラmini book 使うニッコールレンズ』.株式会社双葉社.2002年11月.11p
- 『世界のライカレンズ part2』,株式会社写真工業出版社,2002年5月,74~75ページ