レンズ構成 | 5群7枚 |
絞り | f2~16 |
フィルター径 | 40.5mm |
フード | 不明 |
マウント | Lマウント |
- 専門店にて整備、調整済のレンズを使用しています。
- 掲載の操作方法はあくまで参考です。詳しい操作方法や注意点ついては、必ず購入した店に確認して下さい。
雑記
レンズ構成
5群7枚構成。変形ダブルガウス型のようです。
国策事業として、富士フィルムを含む日本メーカー5社が協力して開発した新種ガラスを採用しています。
同社は、同時期に5cmf1.2や10cmf2.0も販売していましたが、これらも新種ガラスを使用していたようです。
広角のこのレンズは、他の2本に比べて生産本数が少ないようです。当時は広角なんてプロかハイアマチュアくらいしか使用しないレンズで、近くが広く撮れるだけのレンズ扱いだったので、5cmや10cmに比べて売れないのが分かっていたためあまり生産されなかったようです。
描写
モノクロフィルムのネガの状態でも濃淡の出方が特殊です。カラーフィルムで撮っても鮮やかにでるかもしれません。
描写は広角レンズには珍しい暖色系です。
性能的には、日本製の35mmレンズの中ではピカイチだと思います。ライカのズミクロン8枚玉にも負けていないのに生産数が少なく勿体ないなと思います。
型違いがあるかに関して
当初は試作品のような形でプロ向けに供給したようで、その後に一般販売したようです。後の方で変更されていると書かれているところもあるので、一般販売時に変更が入ったのかもしれません。また、新種ガラスの性質が安定しなかったのかロットでも個体差があるようです。個体によって描写が真逆の傾向とかもあったようです。
その他
中玉や後ろ玉が駄目になっているレンズが多いです。採用した新種ガラスの扱いに苦慮したのかもしれません。
販売できる状態じゃないものがそれなりにあるようで、状態が良ければ30万以上はするらしいので、安価に販売されているなら状態は確認した方がよさそうです。
仮に研磨で何とかなるようでも再コーティングする必要がありますが、当時は天然素材のコーティングだったのですが今の日本では化学合成剤のコーティングしかできないため、下手に再生すると写りが変わってしまうので再生するのはなかなか難しいようです。
購入した個体はガラスの状態はいいのですが、コーティングに痛みが見られます。光学測定では問題がなく、試写しても強い逆光下でなければそこまで影響がないだろうとのことだったのでそのまま使用しています。
富士フィルムに関しては、フジカフレックスでトラウマになったのか、稀に高性能で高価な商品を出しても数量限定販売で定番化することがあまりなかったように思います。稀に定番化されてもモデルチェンジを経るたびにコストダウンが目立つことが多いなと思っていました。
作例
作例一覧
参考
- 『世界のライカレンズ ライカと世界のライカレンズ描写を徹底追及』,株式会社写真工業出版社,2000年11月,142~143ページ