レンズ構成 | 6群7枚 |
絞り | f2~16 |
フィルター径 | 39mm |
フード | ITDOO IROOA ← |
マウント | Lマウント |
備考 | 104万番台 |
- 専門店にて整備、調整済のレンズを使用しています。
- 掲載の操作方法はあくまで参考です。詳しい操作方法や注意点ついては、必ず購入した店に確認して下さい。
雑記
シリアル番号に関して
ズミクロンの製品版は110万番台からになるのですが、92万番台から存在しているようです。製品版との間に存在するレンズは試作品といわれており、その試作品の中にトリウムを含んだガラスで製造されたものが存在しています。これがトリウムズミクロンといわれているものです。
シリアルナンバーで見分けがつくように思えるのですが、ライカは修理の際にシリアルナンバーの刻印がある個所を新しいものに変えたりしていたので、トリウムズミクロンでも後のシリアル番号が付いていることがあります。シリアルナンバーは判断基準の一つと考えた方がよさそうです。
ただ、シリアル番号が99万台以下は「アンダーミリオン」といわれ、トリウムズミクロンの中でも特に希少だとされ高価な価格設定になっていることが多いです。
レンズ構成
変形ガウスタイプと言われる対称形のレンズ構成です。前玉2枚を張り合わせず空気層を作った空気レンズを採用していることで有名です。
この後に販売される固定鏡胴とレンズ構成は同じですが、固定鏡胴と沈胴の間でレンズに互換性がなく恐らく中玉などに手が加えてあるようです。同じ1stモデルに括られることが多いですが、沈胴と固定鏡胴は別のモデルだと考えてもいいかもしれません。(両者で写りには差がでるので購入する際は比較して買った方がいいです。)
なお、トリウムズミクロンのガラスには、酸化トリウムが含まれているようです。
描写
ズミクロンらしく解像度の高さと、諧調の良さが同居しています。通常の沈胴と比べて、抜けが良くなっているように感じるのと、コントラストがやや強くなっているように思います。
含有されているトリウムにより黄変していることが多いので、黄変がイエローフィルターに近い効果をするのと、トリウム自体が屈折率を変えるため、通常の沈胴ズミクロンとは異なった描写をします。
カラーは色被りするため向かないと思いますが、モノクロ写真には良好な描写をしてくれるレンズだと思います。
その他
以前、このレンズを評して「モノクロ写真に止めを刺すレンズ」と言った人がいたそうです。写りをみればモノクロでは優のレンズの一つだとは思います。ただし、被写体や撮影状況によっては通常の沈胴ズミクロンの方がよかったかなと思うこともあるので同じ沈胴なのですが、どちらかがあればいいといいうのではないのが難しいです。なお、線量に関しては、人体に影響が出るほどではないようです。
作例
参考
参考価格
アクセサリー・消耗品等
フィルター
ねじ込み式のフィルターは純正のフードを取り付けようとすると干渉する場合があります。ユーエヌのフィルターは大丈夫でした。ただし、ねじ切りがないため今度はゴム製フードが使用できなくなるので注意が必要です。純正は高価です。